【解決事例】自転車と貨物車両との衝突による死亡事故で、過失割合が問題となった事例
裁判所の認定は、加害者の過失6、被害者の過失4。
○被害者
60代の女性、専業主婦
○事故の状況
片側1車線のトンネル内で、被害者運転の自転車が転倒して、時速約30キロメートルで走行中の対向普通貨物車と衝突し、被害者が死亡した。
○裁判までの経過
被害者の遺族は、死亡及び傷害保険金として、自賠責保険金として約2,000万円の支払を受けたが、不服として、加害者と自賠責保険会社を提訴。
○裁判所の判断
裁判所は、加害者には、被害者の動静を注視せず安全確認せずに漫然と走行し、被害者の転倒に気付くのが遅れた過失が、他方、被害者にも、自転車の両ハンドルに荷物をぶら下げふらついて走行し、転倒した相応の過失があるとして、過失割合を加害者6、被害者4とする過失相殺を行いました。
その結果、既払金を控除した後の損害賠償金として、620万円余りの支払が認められました。
解決例⑭のケースでは、当初は、相手保険会社から、労働能力喪失期間を5年に制限した示談案を提示されました。
後遺障害の残存症状は、膝痛という神経障害だったため、むち打ち症と同じ軽度の神経機能障害であることを理由に、期間制限を主張されたわけです。
裁判でも、これと同じ主張が相手からされるケースがあります。
(但し、このケースでは、医師の先生の意見も仰ぎ、期間制限の主張には正当な理由がないことを証明することができたので、67歳までの逸失利益を賠償して貰いました。)
交通事故の賠償問題を適正・迅速に解決するためには、事故直後の治療段階から、専門家による適切なサポートを受けることが重要です。
治療によって怪我が治れば良いですが、しかし、治療を継続しても後遺障害(後遺症)が残ってしまうケースもあります。そのようなケースでは、治療段階から、適正な後遺障害認定が受けられるよう、専門家のアドバイスのもと、戦略を立てることが重要です。
では、なぜ後遺障害の等級認定がそれほど重要なのでしょうか。
後遺障害の等級認定は、等級が1つ違うだけで、交通事故被害者が受け取る賠償金が大幅に変動するからです。一概にはいえませんが、後遺障害の認定が受けられるかどうかだけで、被害者が受け取る賠償金が3倍以上増額するケースもあります。
また、怪我が酷い場合は、日常生活に不自由を来したり、仕事を失ったり、ご家族による介護が必要になる等、事故前とは生活が一変してしまうケースもあります。そのようなケースでは、今後の生活のためにも、適正な後遺障害の等級認定を受けた上で、適正な金額の補償を受けることが極めて重要になってくるのです。
以上のような理由により、後遺障害が残ることが予想される場合には、適正な後遺障害等級認定を受けられるように、治療段階、それも、なるべく早い段階から弁護士に相談し、正しい知識と戦略のもとに治療を継続し、且つ後遺障害等級の認定申請をすることをお勧めします。
お気軽にお問合せ下さいませ
●ホーム | ●弁護士紹介 | ●事務所紹介 | ●アクセス | ●弁護士費用 |