【解決事例】高次脳機能障害の後遺障害が残った被害者について、自賠責保険では5級2号の認定であったが、裁判で3級が認められた事例
○被害者
男性、運送会社勤務(トラック運転手)
○裁判までの経過
・事故時の傷病名は、外傷性くも膜下出血、頭部外傷、右股関節・右肋骨骨折、肺挫傷等。
↓
・症状固定時の診断名は、右下肢短縮障害、右手指機能障害、右膝関節機能障害、高次脳機能障害等。
↓
・自賠責保険の認定は、高次脳機能障害については、5級2号(他の障害と合わせて併合4級)。
障害等級1級。
↓
・被害者は、高次脳機能障害の等級を争って、既払金6,600万円の残額の支払を求め、加害者と保険会社を相手に提訴。
(等級の争いは、高次脳機能障害のみ。他、後遺障害、つまり、右下肢短縮障害<10級8号相当>、右手指機能障害<12級7号相当>、右膝関節機能障害<12級7号相当>の等級については、争いなし。)
○裁判での争点
①被害者の高次脳機能障害の後遺障害は、何級か?労働能力喪失率は何%か?
←被告の主張:一定の軽易な作業に限定すれば就労が可能。後遺障害等級は5級2号、労働能力の喪失は79%に止まる。
原告の主張:後遺障害等級は3級、労働能力は100%喪失した。
②家族の付添看護料は、いくらが妥当か?
③後遺障害逸失利益をどのように算定すべきか?(被害者は、事故当時転職したばかりだった。)
④親族固有の慰謝料を認めるべきか?いくらが妥当か?
○裁判所の判断
・労働能力喪失率に関しては、「一般就労はもとより、極めて軽易な労務にも服することができないと認められる。」として、100%喪失とし、既払金を除く損害賠償金として本人分として約1億3,000万円、妻ほか親族にも固有の慰謝料として100万~200万円の支払を認めた。
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私の感覚としては、骨折までしていれば12級以上と思っていますが、実際には、複雑骨折をして金属固定術まで行ったケースでも、14級に止まる場合があります。
骨折自体はひどいもので、何回も手術を繰り返したのですが、幸い、予後が良好で治癒し、残った症状は、合計30㎝の線状痕と、傷の引きつれによる歩行時の痛みや正座ができないといった神経症状で、麻痺はありませんでした。
後遺障害の認定結果は、上肢および下肢(腕の足)に手のひら大の瘢痕を残しものとして、14級でした。痛み等の神経症状や運動障害についても、14級に止まり、併合14級という結果に止まりました。
このケースで、もし、骨折部位の画像で骨折に伴う関節面の不整など認められ、それが原因で痛みなどの神経症状を来していると判断されていたならば、12級が付いていたはずです(実際、他の骨折事案では、このような理由により、併合12級の認定が受けられました)。
担当した交通事故事件は、裁判になったものだけでも200件に及びますが、そのうち、定評ある法律専門雑誌に取り上げられたものは、次のとおりです。
法律専門雑誌に掲載された実績
地裁事件8件
判例タイムズ3件、判例時報1件、交通事故民事裁判例集5件、自動車保険ジャーナル4件。重複掲載を含む(以下同じ)
高裁事件2件
判例時報1件、交通事故民事裁判例集2件
最高裁事件1件
判例タイムズ、判例時報、交通事故民事裁判例集、最高裁の民事判例集、裁判所時報、裁判所ウェブサイト
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