【Q&A】金額は、一日あたり9800円程度と聞いたことがありますが、それは本当ですか?通院一日あたり5700円と言う人もいますが、どちらが正しいのでしょうか?

Q2

金額は、一日あたり9800円程度と聞いたことがありますが、それは本当ですか?通院一日あたり5700円と言う人もいますが、どちらが正しいのでしょうか?

弁護士からの回答

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通院一日あたり5700円、9800円、どちらが間違っているということはないのですが、任意保険会社を相手にして専業主婦が休業損害の請求をする場合には、1日あたり9800円程度を基準にすべきです。 

休業損害を支払ってもらうためには、休業損害がいくらになるのかを計算しなければなりません。このときの計算方法は、「1日あたりの単価×労働ができなくなった日数」という計算式となります。ただ、1日あたりの単価をいくらにすべきかは、場面によって異なります。
交通事故の賠償金の計算基準には、自賠責保険が計算する場合の基準と任意保険会社が示談金を計算する基準、裁判が行われる場合の基準に違いがあります。 

自賠責保険での計算基準のことを自賠責基準とも言いますが、自賠責基準は他の基準よりも低くなります。この場合、休業損害の1日あたりの単価は、一律5700円と定められています。ただ、裁判をする場合はそうではなく、実際の収入を基準とします。 

専業主婦の場合、実際の収入がないので、賃金センサスの平均賃金を用いて計算します。このとき用いられるのは、女性の全年齢の平均賃金です。これによると、どの年の賃金センサスを用いるかにもよりますが、1日あたりの給料は、大体9700円~9800円程度になるので、裁判で休業損害を請求するときには、基本的に1日あたり9800円程度で計算することになります。 

被害者

30代女性(主婦)

後遺障害等級

後遺障害11級

経過

腰椎を骨折したため、一月ほど入院し、その後、自宅で安静にしながらリハビリ治療を続けることになったが、加害者の保険会社から治療費を打ち切られる心配が強く、後遺症が残ることによる将来不安も強かったため、事故から2ヶ月後(退院後一月後)に弁護士依頼。

 

結局、事故から1年2ヶ月の治療期間を経て、症状固定となった。

 

症状固定時の症状は、腰部の鈍痛、重量物を持てない、腰が曲がらない(=可動域制限)というもので、被害者の自覚症状としては可動域制限を強く感じていたが、自賠責保険の認定は、「画像上、圧迫骨折が認められるものの骨折の状況からは高度の可動域制限を生じるものとは捉えがたい」というもので、腰椎変形の程度からみて「脊柱に変形を残すもの」に該当するとして、11級の認定に止まった。

 

その後、示談交渉にあたっては、治療期間中の主婦の休業損害を主張したり、11級の労働能力喪失率(20%)を前提に逸失利益の主張も行ったが、被害者にも事故発生に関する過失(=過失相殺事情)があったため、やむなく、既払い金の他、約500万円の支払を受けることで示談成立となった。

 

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むち打ち症は、一般に、数週間で症状が軽減し、3ヶ月以内には治癒するといわれています が、実際には、3ヶ月を超えても痛み等がなくならず、通院を続ける方が多くいます。

 

むち打ち症は、医学的な解明が未だ出来ておらず、治療としても確立し たものがないため、投薬、牽引、温熱療法を漫然と続けることになりがちです。

 

ただ、いつまでもずっと、保険会社に治療費を払い続けて貰うことはできませ ん。遅くとも6ヶ月経つ頃までには、治療費打ち切りの話や示談の話が持ちかけられるでしょう。

 

勿論、治療の必要性があれば治療費は払って貰わなければなりません。しかし、そうもいえない場合、つまり、これ以上治療を続けても治療効果が期待できないと判断された場合には、担当医の先生に症状固定に関する意見を貰って、後遺障害の認定を受ける準備に入るべきです。

 

症状固定とは、法律に書いてある言葉ではありませんが、後遺障害に関する賠償問題では良く用いられる概念です。

つまり、担当医の先生が、医学的にみて、これ以上治療を続けても良くならないと判断した場合には、症状固定として、症状が残っている場合には後遺障害診断書を作成して貰い、それを提出して自賠責保険の後遺障害認定を受け、認定の結果を待って、損害賠償の計算をすることになります。


むち打ち症の場合、認定結果の多くは、①後遺障害等級14級9号(局部に神経症状を残すもの)、②後遺障害等級12級13号(局部に頑固な神経症状を残すもの)で、中には、③非該当(後遺障害には該当しない)もあります。

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