【弁護士コラム】同期の仲間
最近は、訴状のオンライン提出の開始が目前に迫るなど、司法のIT化が急速に進み、それに伴い、弁護士業務のあり方も急激に変化していますが、そんな状況だからこそ、同業者間の情報交換は欠かせません。
その際、頼りになるのは、司法修習と呼ばれる司法試験合格後の研修期間に共に学んだ同期の仲間です。
司法修習を終えて弁護士になってから25年経ちますが、最近はオンラインで、大阪にいる同期の弁護士と繋がったり、知財やIT問題に詳しい都内の弁護士にも参加して貰い、情報交換しています。
話題は、裁判官とweb会議をしたときの失敗談や、メールではなくLINEでの連絡を希望する依頼者への対応など様々ですが、仕事以外にも、飼っている保護ネコを見せて貰うなどしています。
私はネコ派ではなくイヌ派ですが、昔飼っていた柴犬を亡くした時の悲しみを思うと又飼う気にはなれません。その代わり、毎年、柴犬の写真満載のカレンダーを購入して飾っています。
【2024年6月7日更新】
執筆者:渋谷シエル法律事務所 弁護士小林ゆか
そんな私の唯一の趣味といえるものは、車の運転でした。
その車の運転も、今年の初めに17年乗り続けた愛車のベンツを手放してから、なくなりました。従って、もはや過去の趣味ではありますが、愛車について語りたいと思います。
こういうとブル弁気取りも好い加減にしろ。と思う方がいらっしゃるかもしれませんが、私がベンツを選んだのは、合理的な理由があってのことです。つまり、ベ ンツならば10年は軽く続けられると考えたからです。日本車だと直ぐに型が古くなって、2年に一度下取りに出して新しい車に替えないと恥ずかしくて乗って いられませんが(少なくとも当時はそうでした)、外車だったら、そんな心配はありません。
また、それまでは日産セドリックなど、いわゆる少し高級な叔父さん車(?)に何台か続けて乗っていたのですが、いつも新車のときに汚物を上に載せられたり、 コインで車体を傷つけられたり、良く被害に遭っていました。でも、外車、それもベンツだったら、普通の人は怖がって悪さを仕掛けて来ないのではないか?と 踏んだのです。
そして結果として、私の判断は間違っていませんでした。実際は10年どころか17年乗り続けましたし、その間、被害にも一度も遭わずに済みました。その上、道路を走行していると、高速道路でも一般道路でも、なぜか前の車が車線をあけて、先に行かせてくれようとします。加速してくると思うからでしょう(こ ちらはサラサラそんな気は無いのですが)。
このように、購入費用は少し高いとしても、17年一度も取り替えることなく一つの車に乗り続けられた事で、トータルでは経済的な負担は少なくて済みましたし、嫌がらせも受けることがなく、気分良く運転を楽しむことが出来たのでした。
今は弁護士をネットで選べる時代です。弁護士側からすると自分が選ばれる時代になったわけ ですが、実際に依頼を受ける場合は、依頼者との間で委任契約を締結することになります。
委任契約は、一定の事務処理を依頼する旨の契約で、委任者と受任者 との間の高度の信頼に基づく契約といわれます。
契約である以上、お互いにこの人に任せる、この人から任されるという合意をして契約が成立するので、どちら か一方が、そもそも依頼しなかい場合、依頼しても相手が断った場合は契約は成立しません。ということは、依頼者、弁護士の双方が、お互いを選び合えるということです。
生意気なようですが、弁護士にとって、今は忙しくて受けられない等の理由があれば、依頼をお受けしないこともあります。費用の合意ができない場合も契約は成立しません。
そして、これもまた生意気なようですが、弁護士も、自分と相性の合う、つまり、考え方、方針が合う人、信頼でき、この人のためだったら頑張りたいと思える方から依頼を受けたいと常にそう思っています。不思議なことに、この人のためにと思えると不思議と力が出ます。仕事も捗り、結果的に良い結果が実現できる事が多くなります。
私はこれまで、会社であれ個人であれ、こちらが勉強させて貰えたと思える素晴らしい依頼者に恵まれて来たと思っているものですから、つい言いたくなります。では、そのような依頼者はどんな依頼者かと言いますと、
1)謙虚な方
これは即ち、こちらを法律の専門家として意見を聞きたいと虚心坦懐に意見を求め、ご自分の考えを組み立てようとする方を指します。
2)誠実な方
例えば、依頼に基づいて相手に送付する通知書、あるいは裁判所に提出する準備書面を起案した場合、必ず事前に依頼者に確認して貰うのですが、その際、直ぐに目を通して意見を返してくれる人を指します。簡単なようですが、弁護士に任せてあるのだから、後はそちらで良いようにして下さいという人も、極端ですが、中にはいます。ですが、依頼者に自分の事だという強い自覚がある方は、すぐに反応して下さいます。
中には、自分のこの意見を加筆して貰えないか?と文案まで示して来る方もいらっしゃいます。こういう姿勢には頭が下がると同時に、よ~し、負けないように一生懸命、この人のためにもっと良い文章にするぞという気が湧いてきます。
また、こうしたやり取りを重ねるうちに、依頼者・弁護士双方の仕事に対する姿勢が分かり、信頼度が高まっているという良い相乗効果が生まれます。
3)意思が明確な方
大体、弁護士に相談・依頼する方は、裁判を起こされたとか、実際に目の前の問題に対応せざるを得ない状況に追い込まれた方が殆どですが、その目の前に問題に対する考え・意思が明確な方は、話を聞いていても従前の経緯に関する説明・問題の分析が明解です。
一般の方は、専門知識が不十分なために問題認識を誤っている場合も多いですが、意思・考えが明確な方は、こちらが話を聞いていてもすぐその点に気づくことが出来ますし、事件の筋・見通しも立てやすいように思います。ご自分の問題は、その人自身にしか答えが出せません。その答えが明確で、できればブレがないと、お手伝いする側の弁護士もやりやすいに決まっています。
反対に、ご自分の問題なのに、どうしたらよいかアドバイスをしてもなかなか決まらない。あるいは、何か言えない問題があるから踏ん切りがつかないのかな。と思える方もいます。
いずれにしても、そのような方は人に頼む以前のレベルと思います。そのような場合は時間をかけてある程度自分でどうすべきか自分の考えが纏まった段階で人に依頼するか、あるいは自分自身で対応するのが良いと思います。
お気軽にお問合せ下さいませ

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