【解決事例】自転車と右折自動車との非接触事故。自転車は自動車との衝突を回避すべく咄嗟に身体を捻り腰椎捻挫等の怪我を負ったが、約4ヶ月後に示談で解決した事例
被害者
50代男性(会社員)
事故態様
片側一車線の道路を自転車で直進中、前方交差点が青信号だったので、交差点に進入したところ、対向車線にいた普通乗用車が急に右折してきたため、咄嗟に、車と逆方向に身体を捻りながらハンドルを切り、衝突を回避した(右足で踏ん張り転倒も回避した)。
傷病名
腰椎捻挫、頸椎捻挫。
治療経過
急激に身体を捻ったために腰と首を痛め、整形外科を受診しながら、整骨院でも2日に1回のペースで施術を受け続け、約4ヶ月後に後遺症を残すことなく治療を終了した。
交渉経過
相手の保険会社から自転車側にも過失があると言われたため、弁護士依頼。
事故状況は乗用車のドライブレコーダに記録されていたため、刑事記録を取り付けるまでもなく、映像をもとに、過失割合に関する交渉を開始した。
相手保険会社は当初、自転車側の過失を20%と主張したが、最終的には自転車側の過失を5%とすることで示談が成立した。示談金は約55万円。
本件の特徴
自転車の非接触事故は案外多いという印象があります。
本件も、咄嗟の判断で乗用車との衝突(接触)を免れましたが、急激に不自然な体勢を取りつつ片足で体重を支えたせいか、思いの外、身体的負担は重く、通院を余儀なくされました。
事故状況からすると、右折車側に徐行なしの直近右折という極めて危険な右折行為があったので、自転車には事故の回避可能性が無く、無過失と言っても良いケースでしたが、被害者が早期解決を希望したため、僅かな過失を認めた上で、治療終了後直ちに示談成立となりました。
【2023年4月11日更新】
執筆者:渋谷シエル法律事務所 弁護士小林ゆか
被害者
50代男性(会社代表者)
傷病名
頸椎捻挫
事故後の経過
事故後は主に投薬治療を受け、事故後約7ヶ月後に症状固定となり、後遺障害14級の認定を得た後に弁護士に交渉依頼。
会社役員だったため、主として後遺障害による逸失利益の有無・金額が争点となったが、本件の被害者は実質的には個人事業主と異ならなかったため、事故前年の確定申告書等の資料を根拠に逸失利益を請求し、既払い金の他、合計2百数十万円の支払を受ける事で示談成立となった。
本件の特徴
一般に、役員報酬には利益配当部分があり、利益配当部分は事故による労働能力喪失の影響を受けないため、相手保険会社から、休業による損害はないとか、逸失利益もない等と主張されるケースが殆どです。
ですが、会社役員といっても、会社の規模や実態は様々です。
本件は偶々、専ら代表者個人が実務を取り仕切る等、実質的には個人事業主と異ならなかったため、個人事業主の場合と同様の手法で収入立証を行い、その結果、交渉がスムーズに進み、示談成立となりました。
被害者
30代女性
事故態様
自転車で横断歩道を直進中、右折してきたタクシーに衝突され、自転車ごと左側に転倒した。
傷病名
左鎖骨骨折、頸椎・腰椎捻挫、両足(膝)打撲等
治療の経過
事故後、救急搬送先の病院で骨折の手術を行い、退院後はリハビリ治療を続けたが、腰部の疼痛と痺れ、足(膝)の疼痛はなくならず、事故後約8ヶ月経過後に症状固定となった。
異義申立の経過
症状固定後、被害者請求により、自賠責保険に対して後遺障害等級認定の申請をしたが、後遺障害には該当しない(非該当)と判断された。
被害者は、この結果に納得が行かなかったため、自賠責保険に対し異義申立を行うことを希望。その頃には、病院を転院し、近医のクリニックで疼痛治療を継続していたので、クリニックの主治医に協力を求め、第1回目の異義申立を行ったが、結果は変わらず、非該当であった。
被害者は、この結果に対しても納得せず、さらなる異義申立を希望したので、病院カルテや検査結果、刑事事件の記録、協力医の意見等あらゆる資料を検証し直し、2回目の異義申立を行った結果、腰部症状(腰痛~足の痺れ)に対し、後遺障害14級の認定が得られた。
交渉経過
加害者(タクシー)の対応に不信感があったため、事故直後から弁護士依頼。物損をはじめ入院中の休業損害や入通院交通費等については示談交渉時までに全額の支払を得た。示談交渉時に問題となったのは過失相殺のみであったが、その点も、交渉の結果、過失相殺0(=被害者過失は無し)で決着し、事故から3年半後に漸く、示談成立となった。
本件の特徴
本件は、異義申立を2度も行ったこと、異義申立の結果自賠責保険の判断が覆ったこと、さらには示談成立までに3年半もの長期間を要したという意味で、特筆すべきケースでした。
特に、覆らないといわれる自賠責保険の判断に対し、諦めずに2度も異義申立を行ったことは被害者自身の頑張りがないと、あり得ません。その原動力は、被害女性の「この認定はおかしい」という確信でした。
代理人である私には良く分からない、「おかしい」という確信を一緒になって掘り下げた結果、紆余曲折はあったものの、最終的に効果的な主張と証明活動ができ、認定が覆ったと感じています。
【2023年5月12日更新】
執筆者:渋谷シエル法律事務所 弁護士小林ゆか
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