【解決事例】自転車と貨物車両との衝突による死亡事故で、過失割合が問題となった事例

裁判所の認定は、加害者の過失6、被害者の過失4。

 

○被害者

60代の女性、専業主婦

 

○事故の状況

片側1車線のトンネル内で、被害者運転の自転車が転倒して、時速約30キロメートルで走行中の対向普通貨物車と衝突し、被害者が死亡した。

 

○裁判までの経過

被害者の遺族は、死亡及び傷害保険金として、自賠責保険金として約2,000万円の支払を受けたが、不服として、加害者と自賠責保険会社を提訴。

 

○裁判所の判断

裁判所は、加害者には、被害者の動静を注視せず安全確認せずに漫然と走行し、被害者の転倒に気付くのが遅れた過失が、他方、被害者にも、自転車の両ハンドルに荷物をぶら下げふらついて走行し、転倒した相応の過失があるとして、過失割合を加害者6、被害者4とする過失相殺を行いました。


その結果、既払金を控除した後の損害賠償金として、620万円余りの支払が認められました。

 

事故状況

被害者は60代の男性。自転車走行中に自動車と接触し転倒。その後、脊髄症を生じ、手術を行ったが体幹機能障害の後遺症が残存。

 

コメント

被害者には、頸椎に脊柱管狭窄・後縦靱帯骨化症の既往症及び変形性膝関節症の既往があったため、裁判では、被害者の症状は既往症によるものではないか、事故と因果関係を有するのはどの範囲かが争点となりました。

 

※外傷性頚髄損傷とは

主として脊柱に強い外力 が加えられることにより脊椎を損壊し、脊髄に損傷をうけること。


※体幹機能障害とは

脊髄損傷や頚椎損傷の後遺症などによる体幹(頸部、胸部、 腹部及び腰部)の機能障害により、体位・姿勢の保持が困難になること。

 

○被害者

女子、高校生

 

○事故の状況など

信号機のない交差点の手前で道路を横断したところ、道路を直進中の自転車に衝突、転倒し、顔面打撲等の傷害を負う。

 

○経過

・自賠責の認定は、後遺障害非該当。
傷害分として治療費・交通費等が支払われた。

・弁護士による交渉開始

・交渉の結果、約60万円の追加支払。

コメント

本件では、被害者にも、道路横断にあたっての過失があったため、過失相殺により、賠償額の減額が予想される事案でした。
しかし、被害者の顔面には、僅かながらも消えないかもしれない傷が残ったことから、女子ということもあり家族が心配。このため、後遺障害14級の場合の裁判所基準とされる110万円程度の慰謝料を参考に、賠償額を算定しました(追加支払額は過失相殺の適用により20%減額後の金額)。

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