20160603特集!小林弁護士インタビュー ~高次脳機能障害編~ ソース
高次脳機能障害を抱える方を取り巻く問題について、小林弁護士にインタビューさせて頂きました。
高次脳機能障害を抱える方を取り巻く問題について
聞き手
普段高次脳機能障害を抱えられている方と面談して感じることは、どのようなことですか?
小林弁護士
そうですね。高次脳の方の特徴的な症状として、性格が変わってしまう、人格変化という言い方をするんですが、そういう傾向が顕著な方が中にはいて、例えば、私のところにお見えになった時点でも、興奮して、「一緒に戦ってほしい」と叫びながら入ってくるような人もいます。奥様に聞くと、凶暴になってしまったといわれる方も中にはいます。
多かれ少なかれ、性格変化、人格変化というのが出てしまうという特徴があるので、特に周りにいる方は、精神的に大変な苦労をしている場合が多いと思います。そのため、私たちがご依頼を受けて、代理行為をする場合は、ご家族の精神的フォローもさせて頂かないと、結局上手く回っていかないというところがあります。これは一つの課題ですね。
聞き手
なるほど。そのほかには、弁護士としてどのように課題解決をしていくかお考えになっていることはありますか?
小林弁護士
弁護士はやはり敷居が高いようで、すぐに弁護士のところに行かなきゃとは皆さん思わないようです。そのため、結局症状固定とか、治療を終了して下さいと保険会社から言われたりして、どうしようといろんなところに相談に行ったり、インターネットの記事をみたり、周りに聞いたり、病院の先生に相談するのでしょうが、そのために最終的にたどり着くのが遅いケースが多いと思うんですよね。できれば事故直後とは言わないけれど、治療をはじめてなるべく早い段階で、その後の賠償のことも見据えて、専門家に相談をなさって、どんな検査を受けたらいいかなど一緒に考えながら行動するのがいいと思います。
小林弁護士
ただ、弁護士は専門家と言っても、賠償問題の専門家にすぎません。できれば高次脳機能障害に理解がある、経験もある弁護士が精神面のフォローを含めてできるのがいいとは思いますが、やはり片手落ちのところもあります。カウンセラーでもありません。
私の場合は、今一緒に相談を受けてもらっている人に心理カウンセラーの資格を勉強中の方がいるのですが、そういった心理面でのフォローもできるようなスタッフがいてくれると、片手落ちにならなくていいと思います。
適宜役割分担をして、色々なサポートができれば、その方のためになるんだろうと思います。仕事を辞めざるを得ない人の場合は特にそうですが、障害年金を受給したりとか、後々のフォローも一緒に考えていくという場面が出てきたら、専門の社労士さんにご紹介をさせて頂くこともありますね。