【バイク事故判例⑤】バイクで走行中、車線変更しようとして駐車車両に衝突し、両下肢麻痺の後遺障害(後遺障害2級)が残った男子大学院生のケース

(平成23 年5月27日名古屋地裁判決/出典:交民 44巻3号678頁等)

関係車両

バイク(普通自動二輪車)vsトラック(事業用普通貨物自動車)

 

事故の状況

第2車線を走行していたバイクが、他の車を避けるため、第1車線に車線変更しようとしたところ、第1車線に違法駐車していたトラックに衝突した。

 

けが(傷害)

外傷性血気胸、第5・6胸椎破裂骨折、外傷性くも膜下出血等

 

入院等の期間

①入院1年1ヶ月(382日)
②通院1年7ヶ月(実日数は16日)

後遺障害

両下肢麻痺に対して2級(随時介護を要する)

 

過失の割合

バイク90%、乗用車10%

 

判決のポイント

①過失割合(過失相殺)

トラックは違法駐車により第1車線の進路を妨害していたが、被害者は第2車線から第1車線に変更するにあたり、第1車線を十分確認しなかったことから、過失割合は被害者の過失が大きいとして、過失割合を、バイク9対トラック1とした。

 

②慰謝料(本人と近親者の後遺障害分)

(1)本人分 2500万円
(2)父親分 200万円
本件事故により、子に後遺障害2級の後遺症が残り、随時介護が必要であるとして父親の慰謝料額を200万円と認定した。
(3)母親分 300万円
主に介護するのは母親であるとして、母親の慰謝料額を300万円と認定した。
<注>金額は、いずれも過失相殺前のもの

 

小林のコメント

裁判になる以前の段階で、被害者には既に自賠責保険金3294万が支払われていました。

 

判決では、被害者の過失が9割とされたため、本来の賠償金から9割減額された金額しか認められず、そのため、既に3千万以上の支払いを受けていた被害者には損害がないとして、請求は認められず(つまり被害者の請求は棄却)、母親と父親にのみ、それぞれ22万円と33万円の支払(弁護士費用を含む9割減額後の金額)が認められました。

 

 

 

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