特集!小林弁護士インタビュー ~高次脳機能障害編 vol.2-1~
特集!小林弁護士インタビュー ~高次脳機能障害編 vol.2-1~
高次脳機能障害を抱える方を取り巻く問題について、小林弁護士にインタビューさせて頂きました。
高次脳機能障害を抱えた場合の気を付けるべきポイントについて
聞き手
高次脳機能障害を抱えてしまった場合、被害者やご家族はどのような点に気を付けて対応していくのが良いでしょうか?
小林弁護士
まずは、一人で抱えないことが大切ですね。高次脳機能障害という診断名が付くことはないので、自分の症状がおかしいなと思ったら、普通は医師の先生に相談し、医師の先生にリードしてもらうことになるのですが、少し感じるのが、そのお医者さんとうまくいかなかったり、お医者さんの言うことに不信感を持つ人が少なからずいらっしゃるんですよね。
一番頼りになるはずのお医者さんが信頼を置けない人という方も結構法律相談にいらっしゃるんですよ。それは大変不幸なことですね。そこで、私が「そのお医者さんの言いたいことはこういうことですよ」と伝えると、そうですかと見方を変えてくれる方も中にはいるんですよ。なので、お医者さんと患者さんである被害者の方との潤滑油にもなりうるのかなという気はしています。
多少なりとも医療訴訟とかやったことがあるので、お医者さんとのお付き合いは私自身もあるので、お医者さんのものの言い方とか、お医者さんの考えみたいなところは、自分の中で思いあたる部分があるので、解説は少しはできるので、安心する方もいらっしゃるんですよね。そうすると、その主治医さんとの関係性が良好になって、いい解決につなげられるということも多々あります。そういうところを、誤解とか、不信感とかお持ちになったときはアドバイスとして修正してもらうということを心がけるようにはしています。
インターネットが普及をしてきたし、いくらでも被害者の方は弁護士を選べる時代になってきました。これまでにどれだけのことをやってきた人かとか、どれだけの想いがある人なのかとかを見極めるツールができたので、昔に比べると非常に環境は良くなっています。ですから、いろいろなツールを活用して頂いて、とにかく自分一人で悩みを抱えないでできるだけいろいろな専門家のサポートを受けるようにして、適正な認定を得ることで、人生の問題もある程度不安なく過ごせるようになるんじゃないかなと思います。一人で抱えない事が大切ですね。
また、ご家族の理解が必要なので、ご家族も大変だけれども、一緒に努力をしてくださること、これが一番重要なことです。なかには離婚をしてしまう人もいるくらい大変な問題なんですよね。人格変化とか、性格変化とかとんでもない事態が起こるので、ご家族が一番大変な思いをされると思います。日常生活でいつも身近にいる人が一番変化に気づくし、一番傷つきます。だからご夫婦の場合は離婚に至ってしまうケースも中にはあるようです。そうすると、そこで一人になってしまうんです。一人にならないでとは思うんだけれども、病気のせいではありますが、一人にならざるを得ない環境を自分で作り出してしまうというリスクもあります。そうならないようにして欲しいんですが、こればかりはなかなか難しいですね。