【Q&A】事故によって車両の一部を損傷し、塗装が剥げてしまった。色むらが生じるので車両全体を塗装し直したいと思うが、全塗装代を支払って貰えるか?

Q&A

事故によって車両の一部を損傷し、塗装が剥げてしまった。色むらが生じるので車両全体を塗装し直したいと思うが、全塗装代を支払って貰えるか?

 

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_MG_660700010001.jpgのサムネール画像のサムネール画像事故によって一部の損傷しか起こっておらず、その部分の塗装が剥げただけの場合、全塗装代を支払ってもらうことは難しく、この場合、剥げた部分の一部の塗装代金しか支払われない可能性が高いです。

 

裁判例でも、このような場合に全塗装の費用の支払いを認めるものは少ないです。

その理由は、以下のとおりです。

 

まず、車の塗装の目的は、防サビと車の外観の保持ですが、部分塗装であっても全塗装であっても、これらの目的を達成できますし、多少の光沢や耐久性に差がある程度です。また、現在は塗装技術も発達しているので、部分塗装であっても、一般的な判断として、車の外観を損なうとまでは言いがたいと考えられています。さらに、全塗装をすると、破損部分が小さくても車体全部を再塗装しなければならないので、費用が高額になってしまいます。

 

このような問題があるので、基本的に全塗装は認められませんが、例外的に全塗装が認められるケースがあります。


それは、

  • 特殊な塗装技術を使っていて、破損部分の部分塗装だけでは、他の部分との違いがはっきりしてしまい、外観が明らかに悪くなる場合

 

  • 事故車が高価であり、その価値の大部分が外装によるものである場合

 

  • 損傷部分が広いため部分と層でも再塗装する範囲が広くなり、全塗装と比較しても、大して費用に差が発生しない場合


などです。

 

たとえば、ポルシェの事故の事案で、事故によってバッテリー液が車の広範囲に飛散してしまったけれども、具体的にどの範囲のどの場所に飛散したのかはっきりしない事案で、全塗装が認められた裁判例などがあります。


本件でも、そのような特殊な事情があれば全塗装が認められる余地がありますが、基本的には部分塗装しか認められない可能性が高いです。

 

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